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パン屋経営

記事ID:0008081 更新日:2016年7月12日更新 印刷ページ表示

向山 志緒美さん

向山 志緒美さん 1978年生まれ 伊那市出身 2児の母
ニコ・テイル代表

できる限りすべてのパン・具材を手作りし、赤ちゃんの離乳食からお年寄りのおやつまで、毎日の食生活に寄り添ったパンを提供している。

パン屋の一日

向山さん
4時30分
 仕込みを開始。発酵、焼成を行う。
9時    お店開店 接客、販売。サンドイッチの調理を行う。
13時   次の日の仕込みをし、材料の仕入れをする。
19時   お店閉店

パン屋になるまで

向山さん
県外の大学を卒業してから、食品会社に就職し、神戸で働いていました。とってもいい会社で、仕事が楽しかったです。
仕事はとっても楽しかったのですが、長いキャリアを考えた結果会社を辞めました。地元にいつか帰ろうと思っていたからです。あまりにも会社がいい会社だったので、戻った時、これ以上の働き方を考えた結果、「やりたい仕事がないなら自分でやろう!」と起業を決めました。
パンが好きだったので、会社を辞めた後パン屋で修業を兼ねたアルバイトをしていました。
そして26歳の時南箕輪にお店を出しました。それがニコ・テイルの始まりです。

仕事の魅力

パン
経営者としてすべて自分の好きにできるところもありますが、今、仕事がとても楽しいです!

口に入れるものはとても大切なものなので、自分がいいと思ったものを食べてもらえるのは魅力だと思います。
生地には保存料・着色料・添加物を使わない安心感と、焼き上がりに豊かな香りの広がる品質にこだわっています。

食のトレンド(スイーツや食感)の勉強も欠かさず行っています。新商品の開発も常に取り組んでいますが、試作を作っている時とってもわくわくします!
 

味にお金を

パン
経営者として原価計算もしっかりと行っています。

最近は原材料が高騰しているので、色々工夫するようにしています。
例えばパンの底に食べやすいように紙を敷いていたとします。原材料が高騰した時今までと同じ価格でパンを提供するには、中にハムがないのと、底に紙がないのとを考えると絶対ハムがある方が美味しいんです!なので、そういう時は紙を無くしてしまいハムを残します。美味しさにお金が投入できるように考えています。

仕事とプライベート

向山さん

月曜日と火曜日がマフィンのお店に変わるので、週休2日で働いています。休みの日は子どもを学校に送り出し2時間自分の時間を取るようにしています。カフェで本を読むことが多いです。考えることは仕事のこと、家庭のことだったりするのですが、インプットする時間にしています。
その他に日曜日家族そろって過ごす時間をスタッフの方の協力のおかげで取らせていただいています。
 

店内

毎日家と、仕事と、社会のことを考えています。

私は産後まもなく仕事に復帰しました。生まれたての子どもを抱き抱えながら、明日の材料の仕入れをしなければいけない生活がありました。また一緒に働いているスタッフの生活も大事です。
やるべきことは2つです。「家庭と仕事」同じくらい責任を感じています。どっちも200パーセントの気持ちで取り組んできました。

とはいえ、仕事も子育てもなかなか思うようにできないことにジレンマを抱えていた日々がありました。

店舗シェア

店舗シェアお店を持ってみて、こんな楽しい仕事はない!こんないい人生は他にない!と感じています。
自分でやってみて楽しかったからこそ「いつか自分のお店を出したい!」という夢を持つ人を採用し、一緒に働きながら応援させていただいています。

現在店舗は水曜日から日曜日までがパン屋、月曜日と火曜日がマフィン屋という「店舗シェア」の形態を取っています。(曜日によって経営者と商品が入れ替わります。)一緒に働いていたスタッフの方で独立希望だった方と2年前にこの形態をスタートさせました。
私は週2日休めるようになったことで、自分の方向性がはっきりしました。
そして家族と向き合うかけがえのない時間を確保できたことがとても大きかったです。他にも経費削減、毎日どちらかのお店が開いていて地域ににぎわいができることなどメリットがたくさんありました。

これから

パン
オリジナリティのある商品を展開していきたいです。
新規のお客さんだけでなく常連のお客さんにも「また来たい!」と思われるような魅力的な商品を提供できるよう、流行を取り入れた商品開発も続けていきます。
「手作りのパンをできだけ安価で提供したい」という気持ちに変わりはなく、今後も毎日買える価格を目指して努力していきます。
パンの商品力や接客販売サービスといった店舗全体の力で地域のファンを増やしていきたいですね。

メッセージ

向山さん

私は京都で大学生活を送り、自分の生まれ育った土地の魅力に、外から見て気がつくことができました。
その後、神戸に本社のある食品会社に新卒で就職し、食に対する意識の高い上司・同僚にたくさん恵まれて、誇りを持って仕事を楽しむ生き方を教わりました。

パンの勉強は、学校でなくすべて"仕事"を通して覚えてきました。

目指すところがあるとしても、それまで積んできたキャリアが活きます。違う経験を積むことも大切です。
専門学校等でパン作りを学ぶのもいいと思いますが、働きながら吸収することもいいかもしれません。

起業するなら、若いうちがパワーがあるのでオススメです!

オススメの1冊

かわいいゴハン屋とスイーツショップのデザイン
かわいいゴハン屋とスイーツショップのデザイン   (パイ インターナショナル)

いろいろなお店が載っています。
小さなお店のインテリアデザイン、ラッピングを紹介しているのですが、とても参考になります。
デザインからもお店の楽しさを引き出していきたいですね。

パンの店 ニコ・テイル

外観〒399-4511
上伊那郡南箕輪村3382-1
電話 0265-76-5717
定休日 月・火曜日

この仕事に就くにはパン屋

必要な資格は特になし
ただし、
・製菓衛生師
もしくは
・調理師
を取得し、「食品衛生責任者」となるのが望ましい。


※店舗運営には「食品衛生責任者」が必要です。資格が無くても講習会に出席すれば運営できますが、資格があることで衛生管理の実務面でも安心だと思います。
※私はニコテイルを始めてから、実務期間2年を経て、両方取得しました。(向山さん)

パン製造の技術は専門学校や、パン教室、店舗で働きながら学ぶなど様々。

関連する資格に厚生労働省認定のパン製造技能士(国家資格)がある。