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人体文付有孔鍔付土器

記事ID:0001157 更新日:2013年8月1日更新 印刷ページ表示

人体文付有孔鍔付土器が渡英しました

人体文付有孔鍔付土器の写真です

人体文付有孔鍔付土器の写真です

村指定文化財の人体文付有孔鍔付土器(じんたいもんつきゆうこうつばつきどき)がイギリスの大英博物館(ロンドン市)で 平成21年9月に開催された企画展「土偶展」で展示されました。

この企画展は日本の優れた文化財を諸外国に紹介し、日本の歴史や文化に対する理解を深めるとともに国際文化交流を推進する目的で、毎年海外において開催されている日本古美術展で、本年度はイギリスの大英博物館において縄文時代から弥生時代初頭につくられた土偶(人を模してつくられた土製品)をテーマに文化庁・東京国立博物館・大英博物館の主催で開催されました。

この企画展に展示される資料は、これまでに全国各地で出土したいずれも学術的価値の高いものばかりで、国宝や国の重要文化財に指定されているものが数多く含まれています。

帰国後は東京国立博物館(東京都)でも展示されました。

村所有の文化財が海外で展示されるのは初めてのことです。

人体文付有孔鍔付土器とは

人体文付有孔鍔付土器の写真です

この土器は、今から約4500年前の縄文時代中頃のもので、平成7年に実施された久保上ノ平遺跡の発掘調査で出土したものです。 有孔鍔付土器は、一様に土器の口が平らに作られています。その下に刀の鍔(つば)のような粘土の帯が付けられ、更にその上部に幾つもの小さな孔(あな)が一定の間隔であけられています。
有孔鍔付土器は出土する数が少なく、調理や貯蔵など日常的に使用する土器とは異なった特殊な土器と考えられています。この土器の用途については酒造器として使っていたという説と太鼓として使っていたという2つの説が有力ですが、はっきりしたことは分かっていません。
高さは29.9cm、横幅は最大で約36cmあり、中央がくびれたひょうたん形をしています。その正面には人体をモチーフとした人体文様が付けられています。
土器の裏側には中央のくびれをまたぐ形で把手が付けられています。この把手はもともと2つあったと思われますが、一つは欠損しています。
また、土器のところどころに赤色の顔料が残っているので、土器が作られた当時は土器全体が赤く塗られていたと思われます。
土器の正面に付けられている人体文の両腕の肘から先の部分は残念ながら欠損していますが、これほど人の体が明確かつ立体的に表現されているものはあまり例がありません。
顔の部分と胴体が土器中央のくびれを境に離されて作られている点や、顔の口が縦方向に3本の線で表現されているなどの特異な表現は学術的に貴重な資料で、平成10年3月に村の指定文化財となっています。

土器裏側の把手

土器裏側の把手の写真です

中央のくびれをまたぐ形で橋状の把手が付けられています。もとは2つあったと思われますが、1つは欠損しています。

鍔と小孔の部分

鍔と小孔の部分の写真です

鍔は約1.5cmの幅で横に張り出しています。小孔の直径は約4mm、ほぼ等間隔で22箇所あけられています。

顔の部分

顔の部分の写真です

顔は扁平ではなく、鼻の部分にふくらみをもたせるなどして立体的につくられています。

左腕部分

左腕部分の写真です

肘から先の部分が欠損しています。朱塗りの跡から肘を曲げて両腕を左右に広げていたことがうかがえます。

腹部と脚の部分

腹部と脚の部分の写真です

腹部が大きく膨らんだ表現がされていますが、これは同じ時期にみられる出尻土偶と呼ばれるお尻が大きく張り出した土偶と大変よく似ています。肩から腹部にかけて中央に入れられている溝も何らかの意味があると思われます。また、両足には膝のふくらみが表現されています。

土器の中

土器の中の写真です

土器の底にも朱塗りの跡がみられます。

久保上ノ平遺跡とは

久保上ノ平遺跡は久保区神明宮北側の河岸段丘上にあり、平成7年に発掘調査が実施されました。

調査の結果、縄文時代中期(約4500年前)の集落、弥生時代後期(約1800年前)の集落と方形周溝墓(※1)、平安時代(約1000年前)の集落という、3つの時代にわたる複合遺跡(※2)であることが明らかとなりました。

この時、約3000平方メートルの調査範囲からは3つの時代にわたる住居址(※3)が42軒、縄文時代の土器を並べた屋外祭祀遺構(※4)と、土器捨て場(※5)、弥生時代の方形周溝墓が8基など、非常に高い密度で遺構が出土しました。

特に縄文時代中期の遺構(※6)・遺物(※7)は祭祀的色合いの強い特殊な物が多くみられ、調査当時から村内外で話題となりました。

久保上ノ平遺跡の写真です
(久保上ノ平遺跡-空中写真)

(※1)方形周溝墓
弥生時代のお墓の一種。埋葬者を納めた塚の周りに隅を丸くした長方形に溝をめぐらせたもので、古墳の前身になったお墓の形式と考えられています。
一つの遺跡から8つの方形周溝墓がみつかったのは当時、郡内最多でした。

(※2)複合遺跡
同じ場所がいくつかの時代にわたって使われていた遺跡。

(※3)住居址
縄文時代から平安時代までは地面に竪穴を掘って半地下式の家で暮らしていました。

(※4)屋外祭祀遺構
建物の外で祭祀的な行為が行われていた場所。見つかることはごくまれです。

(※5)土器捨て場
壊れた土器や使えなくなった石器を捨てた場所。当時は適当な所に捨てていたのではなく、決められた場所へ捨てていました。

(※6)遺構
昔の人が造った施設跡などの総称。

(※7)遺物
昔の人が使った道具類やそれに関わる物などの総称。

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