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大芝村有林整備基本計画を策定しました
大芝村有林整備基本計画とは
大芝村有林整備基本計画は、平成22年度に大芝村有林における森林整備の基本的な考え方やこれを踏まえたゾーニング、大芝村有林の実情に即した森林整備を推進するため長期的な視点に立った森林づくりの構想です。(信州大学農学部 監修)
当計画作成から10年を迎えるにあたり、大芝村有林の森林状況調査を基に村では令和3年4月1日から10年間の大芝村有林整備基本計画を策定しました。
大芝村有林の経過と現状
明治28年(1895年)、10haに約1万本のコナラを植林したことが大芝高原の森林の始まりです。125年の歳月が経ち、現在の大芝高原は、南箕輪村の村木であるアカマツが上層を優占し、全国でも稀なアカマツが相観を成す平地林となっています。
先人たちの努力により、アカマツ、ヒノキなどが植林され、一時期は経済林として利用されていましたが、現在は森林セラピーロードが配備され、経済林よりも公園林(環境林)として多くの方に楽しまれています。しかしながら、南箕輪村の平地林の相観を成すアカマツは、松くい虫被害の発生により、その多くが枯れてきています。過去14年間にわたり樹幹注入によって松くい虫被害からアカマツを守ってきましたが、樹幹注入もアカマツの生理的に限界を迎えています。
さらにはヒノキや広葉樹といった下層木の成長に伴い森林の様相が変化し、アカマツは衰退傾向が明確になってしまいました。このままでは最短で今後数年、最長でも今後25年以内にアカマツが衰退・消滅する可能性は否定できない状況にあります。
今後拡大または蔓延すると想定される松くい虫被害によって、類を見ない大径アカマツを枯死させることは、村の損失となります。アカマツがただ衰退していくのを待つだけではなく、アカマツを用材等として活用する発想の転換=「アカマツを枯れる前に利用する」といった転換期にきていると考えられます。
大芝村有林整備基本計画(概略版) [PDFファイル/2.08MB]