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クマに遭遇してしまった場合
クマに遭遇した場合にとるべき行動
クマの生息域となる山林等へ入山する際はもちろん、人の生活圏でもクマと遭遇する可能性があります。クマによる人身被害を回避するためには、クマと遭遇した際に適切に行動することが大切です。
(1)遠くにクマがいることに気付いた場合(20m以上)
落ち着いてその場から立ち去ります。クマが先に人の気配に気づいて隠れる、逃走する場合が多いですが、もし気が付いていないようであれば存在を知らせるため、物音を立てる、大きく手を振りながら穏やかに声をかけるなど、様子を見ながら立ち去りましょう。
急に大声をあげたり、急な動きをしたりするとクマが驚いてどのような行動をするか分からないため、注意しましょう。
(2)近くにクマがいることに気付いた場合(20m以内)
まずは落ち着くことが重要です。時にクマが気づいて向かってくることがあります。 本気で攻撃するのではなく、威嚇突進(ブラフチャージ)といって、すぐ立ち止まって引き返す行動を見せる場合があります。この場合は、落ち着いてクマとの距離をとることで、やがてクマが立ち去る場合があります。クマは逃走する対象を追いかける傾向があるので、背中を見せて逃げ出すと攻撃性を高める場合があります。そのため、クマを見ながらゆっくり後退する、静かに語りかけながら後退する、突進に備えて、クマとの間に障害物(立木など)が来るように移動するなど、落ち着いて距離をとるようにします。慌てて走って逃げてはいけません。
逆にこちらが動かないでいると、敵だと判断されて襲われる危険性が高くなることがあります。
(3)至近距離で突発的に遭遇した場合(5m以内)
クマによる直接攻撃など過激な反応が起きる可能性が高くなります。攻撃を回避する完全な対処方法はありません。クマは攻撃的行動として、上腕で引っ掻く、噛み付く、などの行動をとりますが、ツキノワグマでは一撃を与えた後すぐ逃走する場合が多いとされています。顔面・頭部が攻撃されることが多いため、両腕で顔面や頭部を覆い、直ちにうつ伏せになるなどして重大な障害や致命的ダメージを最小限にとどめることが重要です。
クマ撃退スプレー(唐辛子成分であるカプサイシンを発射するスプレー)を携行している場合は、クマに向かって噴射することで攻撃を回避できる可能性が高くなります。
(4)親子グマとの遭遇
子連れのクマと遭遇した場合、母グマは子グマを守ろうと攻撃的行動をとることが多いため、より一層注意が必要です。子グマが単独でいるような場合でも、すぐ近くに母グマがいる可能性が高いため、近づくことはせず、早くその場から離れることが必要です。