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南原住宅団地における焼却灰の再発見について

記事ID:0017836 更新日:2023年11月20日更新 印刷ページ表示

1.概要

平成元年に南箕輪村土地開発公社(以下「公社」という。)が造成した南原住宅団地において、平成19年、その敷地内に一般廃棄物焼却灰が埋め立てられていたことが判明した。現行制度に基づくダイオキシン対策として、公社がこの土地の住宅等の取得及び家屋の解体を経て、焼却灰の除去を行い、工事は平成30年6月に終了した。その後、土地の再造成を行い、工事は令和元年9月に完了し、公社は焼却灰をすべて除去したと発表し、住宅地の分譲を始めた。

今回、令和3年7月に販売した分譲地において、住宅メーカーが試掘を行ったところ、人工埋設物が確認されたため、公社で埋設物の成分検査を行った結果、ダイオキシンの濃度が4,400pg-TEQ/gと基準値の1,000pg-TEQ/gを大きく上回ることが判明した。過去資料によれば、この埋設物は、掘削されていないエリアで出現しており、さらには焼却灰分布予想図の中に含まれていることから、焼却灰であると考えられる。

2.過去の経緯

(1)搬入された理由

昭和62年当時、伊那中央保健衛生施設組合(現伊那中央行政組合)の伊那中央清掃センター(可燃ごみの中間処理場)から排出される焼却灰は、伊那市横山鳩吹の最終処分場へ埋立処分を行っていた。伊那市西春近において焼却灰の最終処分場を建設していたが、完成までの間の受入れ先を探す中で、南箕輪村が用地の確保を依頼され、南原の公社所有地を焼却灰の処理場として提供した。なお、期間は昭和63年4月から平成元年3月までとなっており、約1,800t搬入された。

 

(2)県の指導

昭和63年12月に「南原に産業廃棄物が捨てられている。」という通報が伊那保健所に入り、同日保健所が現地を調査した。保健所、公社、清掃センター、村による話し合いが行われ、翌年1月に、埋め立て後の管理方法について、伊那中央保健衛生施設組合から保健所に報告し、了承された。

 

(3)焼却灰の発見

平成19年2月に南箕輪村下水道事業(村建設水道課)が実施した公共下水道工事において、道路を掘削中に、地表面より1メートル~3メートル前後の深さで焼却灰が出現し、焼却灰の存在が明らかになった。

 

(4)焼却灰の除去

上伊那地方事務所環境課の指導に基づき、廃棄物処理法に基づく廃棄物として、この土地の住宅等の取得及び家屋の解体を経て、すべてを焼却灰として除去することとした。ダイオキシン対策のマニュアルに基づき実施したボーリング調査の結果により、焼却灰が分布している区域を確定した。ボーリング調査の結果では、焼却灰は、浅いところで住宅地の地表面から約1メートル、深いところでは約12メートルの深さに、約20センチメートルから約3メートルの厚さで埋まっていることが示された。ダイオキシン濃度の分析結果では、濃度が3,700~17,000pg-TEQ/g(基準は1,000pg-TEQ/g以下)であることが示された。

 

(5)除去費用

焼却灰の除去に掛かった総額費用は約18億3千万円である。単純に焼却灰の処分に掛かった費用は約5億1千万円であり、その内伊那中央行政組合は約4億7千万円を負担している。

 

3.焼却灰を完全に除去できなかった理由

焼却灰有無の確認はボーリング調査で行った。調査におけるボーリング位置の選定については、産廃特措法の基本方針、施行ガイドラインおよび土壌汚染対策法の考え方を参考に、30mの格子に区切って、格子の中で1か所配置することを基本とした。さらには、焼却灰が不規則に埋設されていることが事前に判明していたことから、取り残しを防ぐためさらに細分化した10m格子を基本とし、ボーリング調査を行った。今回焼却灰が出現した場所は、ボーリング調査の結果では焼却灰が無いとされた10m×10mの格子の中であった。完全に除去するにはさらに細分化したボーリング調査の実施が必要であったと考えられる。

 

4.責任の所在

 焼却灰の有無の確認にあたる手続きは、法律やガイドラインに基づいて適切に行われていた。しかしながら、焼却灰予想分布図では、焼却灰が有るとされていた場所であり、さらに細分化したボーリング調査を本来は行うべきであったとも考えられる。結果、焼却灰が有る土地を無いとして分譲地の販売行為を行ったこと、また根本的に分譲地としてこの土地を再利用したことについて、南箕輪村長の政治的結果責任は免れ得ないと考えている。

 

5.今後の対応

ボーリング調査を行い焼却灰の所在を確認する。県と相談し、除去または封じ込め工事を行うかなど、対応方針を決定する。

敷地内に焼却灰が確認された地権者、焼却灰除去にあたり移転が必要な地権者、焼却灰がないとして分譲地を購入した地権者への補償等について、真摯に対応する。地元地区への説明責任を果たすため、説明会等を開催する。

【実施済】9月4日(土曜日)に記者会見を開催し、説明責任を果たす。

 

6.声明

(映像提供:伊那ケーブルテレビジョン)

 

公社が宅地分譲した南原住宅団地の土地から令和3年7月に再び、ダイオキシンを含む焼却灰が発見されたことについては、焼却灰を完全に除去したと令和元年9月に当時の村長が公表したにも関わらず、分譲地に焼却灰が存在していること、また、今回焼却灰を完全に除去したという村の公表を信頼して、土地を取得された地権者の皆さん方に対しては、せっかくのマイホームの土中に焼却灰が存在している可能性があり、その結果、日常生活の基礎をおびやかす事態となったことについて、南箕輪村の村政の最高責任者として誠に申し訳なく、深くお詫びいたします。

村としては、法的に認められるすべての責任を果たす決意であり、今後は、地権者の意見と要望を丁寧に確認し、それに沿った対応を果たし、一刻も早く地権者の平穏な日常生活を取り戻せるよう全力をもって対処いたします。

2021年9月4日 南箕輪村長 藤城 栄文