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楠好延さん 1970年生まれ 東京都台東区出身
2016年4月より、南箕輪村の地域おこし協力隊に。主に大芝高原を活動場所とし、商品開発を担当している。
内山祐輔さん 1989年生まれ 宮崎県出身
同じく2016年4月より、南箕輪村の地域おこし協力隊に。主にプロモーションを担当している。
楠さん
私は生まれも育ちも東京で、南箕輪に来るまでずっと東京で働いていました。昔からもの作りが好きだったので、「人が集まる、大きなものを作りたい!それでいて長く残るものを作りたい!」と総合建設会社で建物を作ってきました。今まで鉄道博物館等を手掛けました。
しかし、45歳になり、田舎で子育てをしてみたいと思うようになりました。奥さんが駒ヶ根出身だったこともあり伊那谷にはよく来ていました。
南箕輪の地域おこし協力隊の募集を見て、今までは「建物」を作っていましたが、「地域」に焦点をあてて仕事をしてみたいと思いました。
内山さん
私ももの作りに興味があり、自分の作ったものが目に見える仕事をしてみたいと大学を卒業し東京の印刷会社に入社しました。そこでは営業を担当していました。4年勤めて仕事を「やらされている感」を感じてしまい、そこから脱却したいと思った時に結婚、子育てを見据えて子どもが最終的に帰れる場所で生活したいと思うようになりました。私も奥さんが南箕輪村出身だったので、この地域にはとても興味がありました。
大学のゼミでは地方のブランディングを研究していましたし、地元の宮崎を東国原知事がPRして周りからの注目度も変わったことを受け、地域をフィールドに活動してみようと決意しました。
・味工房の商品PR、商品開発
・直売所の拡充
・6次産業化プロジェクト
・イベント、物販活動
・月刊「素顔がいいね!」発行(フリーペーパー)
・SNS発信
村に来て3カ月ですが、現状把握をしながら様々な企画会議を行っています。
楠さん
人との触れ合いがあり、自然の中で生活できる喜びを感じます。大芝高原は村の人に愛されている施設だなぁと感じます。みなさん楽しんで集まってきます。良い物を目指して作ってきたのが分かります。
内山さん
地域の人との触れ合いが楽しいです。東京とは違うなと感じます。一緒にやっていかなきゃという繋がりを感じます。東京は孤独でした(笑)
協力隊の業務は朝8時30分から夕方5時までですが、夜に会議が入ることもあります。休みはシフト制で月10日です。土日にはPRイベントを精力的に行っています。
楠さん
今1ヶ月の息子がいます。休みの日はご飯を作り、買い物をし、子どものおむつを替え、ミルクをあげるなどしています。子どもがとってもかわいいです。仕事のある日も奥さんが楽になるように夜中にミルクをあげるようにしています。
この生活が憧れだったのでとても楽しいです。
東京にいたころは忙しすぎてほとんどベットで寝たことがありません(笑)
奥さんは東京で働きたいと言っていたのですが、無理をいってついてきてもらいました。今は子育てを楽しんでいるので良かったです。
内山さん
奥さんも働いていて、なかなか休みは一緒にならないのですが、休みが合えばドライブに行きます。一人の時はセラピーロードを歩き、バスケ等で体を動かしています。
私もご飯はよく作ります。昨日もドライカレーを作りました!先日は揚げ物を焦がし鍋をだめにしました(笑)
私は家で仕事の話をします。もともとこの地域に引きこんでくれたのは向こうの家族なので、いろいろ投げかけて反応してもらっています。
二人
村の畑(ふれあい農園)を借りて、野菜を作っています。じゃがいも、なす、ねぎ、トマト…初めて土をいじるので試行錯誤ですが、いろんな人が教えてくれます。みんなが先生です。
野菜がどうやってできているか知り、地産地消で食べる、とてもいい経験ができています。
東京での社会人生活は忙しすぎて、こちらに来てものの見方がだいぶクリアになりました。ゆとりもでき、東京への未練はまったくありません!
楠さん
地域おこし協力隊は3年という期限がありますが、自分の目標を達成し3年の任期が終わった後も定住し、地域に関わるような仕事がしたいです。この先も“もの作り”を中心に、周りの人が喜んでくれるような仕事をと思っています。
そして自然の中で、自然体で生きること、自然に感謝していきたいですね。
内山さん
3年間の任期を全うできるよう、頑張ります。その後地域おこし協力隊として学んだことを活かして起業するかどうかはまだわかりませんが仕事を見つけ定住したいです。そして幸せな家庭を築きたいです。
自分のやったことが人の言葉で返ってくるような、人のためになるような働き方をしたいです。
楠さん
東京で仕事をしていたので思うことですが、東京は一つの洗練された仕事をする場所です。その中で勝つには独自性が必要で、自分のやりたい仕事を見つけた時は頂点で戦うことのできる場所です。
しかし、都会にこだわらず、地方でできることもあります。一度都会に出て、地方に帰ってきてやりたいことをマッチングさせるのも一つの選択肢です。都会にいる人は他の土地に出ていくことは怖いこともあるかもしれませんが、ぜひチャレンジしてほしいですね。
人と人が繋がらないと新しいものは始りません。違う価値観を受け入れながら新しいものを共有していければいいですね。
楠さん
「木のいのち、木のこころ―天・地・人―」著 西岡常一、小川三夫、塩野米松 (新潮文庫刊)
日本の木造建築は世界一だと思います。自然を利用し、いろんな使い方や、知恵があり、コンクリート建築より木造の素晴らしさを感じます。前職では木造建築は携われませんでしたが、ぜひ自分の家は木造建築にしたいです。
宇宙飛行士を目指す兄弟の話です。弟が先に宇宙飛行士になり、兄が会社をリストラされ、宇宙飛行士を目指すところから話が始ります。30近い男の人が自分の夢に向かって挑戦していく姿にとても心を打たれます。
就職活動中ずっと読んでいましたが、私も頑張るぞ!とう気持ちになれました。
地方公共団体が概ね1年以上3年以下の期間で募集する。 田舎暮らしでギャップがあるかもしれませんが思いがあれば伝わりますし、ギャップも埋められます。心の中に思いがあるのであれば考えるより、まずは動いてみてください!(協力隊より) |