本文
南箕輪村キャリア教育推進協議会委員でもある地域おこし協力隊楠さんから「キャリア教育への思い」をいただいたので掲載します。
子どもだけでなく、私たち大人が子どものためにやるべきことは何か、考えさせられます。
東京の下町で育ち、東京で学び・働いてきた僕は、常に新しい世界に身を投じ、常に挑戦を繰り返してきた。
そんな、郷土愛の精神とはほど遠いフロンティア精神でやってきた僕が、地元回帰を通したキャリア教育について論じるのはいささか、恐縮であるが、せっかくの機会をいただいたので、思いのまま書き連ねてみようと思う。
率直に言うのならば、「子どもは、常に自分の可能性の外へ外へ挑戦し続けてもらいたい。」この一言に尽きる。
たとえ、それが子どもが村に帰ってこなくなったとしても、である。
好奇心と挑戦は、人を成長させ、なによりも、人生を楽しませるための最大のエッセンス他ならない。
しかし、村に住んでいる身としては、やはり、村で一緒におもしろいことをしたい。そう思うのもまた自然なことである。
そんなとき、進学、就職、挑戦、迷い…、そんな子どもの人生における選択肢の中に、「地元・郷土」が入ってくるような、そして、その選択肢の中からこの、「南箕輪村」が選ばれるような土壌作りをしなければならないのは他ならぬ、僕たち、オトナなのである。
この土壌作りとは、決して一年や二年で達成されないだろう。
子どもが地域に生まれ育ち、世界を広げ、ふと、自分の人生を見つめ直すそのときまで、僕たちオトナは常に、常に、思考し、行動し、生活し続けなければならない。
子どものキャリア教育を考えることは、その実、僕たちのキャリア教育を考えること他ならない。
「今、自分の生き方(キャリア)は、子どもたちに未来の可能性を示せているだろうか」
今までも、これからも、その言葉を大切にし続けられるかが、僕たちオトナに求められている。