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来年度、南箕輪中2年生の職場体験は5月23日(木曜日),24日(金曜日)に実施します。その二日間を含めた”働くこと”に関する学習を「ふるさとの”光”を発信しよう!~お仕事編~」と題し、学習を進めています。
《ねらい》や《学習の流れ》は、こちらの記事をご覧ください。
2月5日、「働くこと」や「業種・職種」について、村キャリア教育推進コーディネーターが説明しながら学習を行いました。
1.「働く」って何だ?
○南中1年生が考える「何のために働くの?」
前回出た意見をまとめました。
・お金をかせぐため ・生きるため ・人のため
・達成感があるから・家族を養うため ・私たちを育てるため
・生活のため ・地域のため ・税金を納めるため
・物を買うため ・社会をよりよくするため
・借金返済やお金がいつか必要になったときのため ・社会に貢献
・自分の夢をかなえるため ・人の信頼を得るため ・趣味のため
・自分にできることをして、誰かの役に立つことがうれしいから
・自分のやったことで喜んでもらえるから ・好きだから
・色々な人の笑顔を見るため ・安全に暮らすため ・楽しいから
○例えば、事故にあったとき、誰を頼る?
こんな質問をすると、生徒からは「お医者さん」「車屋さんのレッカーや修理」「保険屋さん」「警察」という答えが返ってきました。
もちろん「親」という声もあり、大事なことだねと話しました。起こってほしくはないけれど、起きたときにどうするかを考えておくことは、もしものときにつながりますね。
話は戻って、事故が起きたら様々な人の「仕事」が助けてくれます。問題を解決するために「仕事」がある、役割があるから「仕事」は存在するんだということを確認しました。
○「人生の先輩と語る会」での学び
特別守る老人ホーム「みのわ園」の職員である平垣内宣博さん。「人生の先輩と語る会」の講師のお一人です。
「社会に出たら、通知表(評価)は“人の役に立つかどうか”だよ!」という言葉が話をした生徒のメモに多く残っていました。学校で身につけた国語や数学などの各教科の知識、コミュニケーション能力などの力や自分らしさを、どう活用していくのかが大事だと話してくださいました。平垣内さんと話をした生徒たちは思い出したようにしっかりとうなずいていました。
○仕事はつながっている
「インフルエンザにかかったら、どうする?」病院へ行き、受付の方に症状や自分の情報を伝える。お医者さんに診てもらう。もらった処方箋を薬局へ持っていくと、薬剤師さんが薬をくれる。そんな例を通して、あらゆる「仕事」はつながっていること、社会は人と人とのつながりで成り立っていることを確認しました。
2.業種・職種って何だ?
○業種
業種とは、事業所が行っている活動の種類です。例えば、農業、製造業、教育、など。様々な仕事は業種に分類することができます。あらゆる業種にまたがる事業所もあります。
各業種の写真を見たり、実際に南中生がお世話になる事業所はどの業種の当てはまるかというクイズをしてみました。
○職種
職種とは、事業所の活動を支える仕事の種類です。例えば、経理、人事、接客、調理、開発など。一つの事業所は、いくつかの職種に支えられて成り立っているのです。
職場体験でも、料理を作ることが好きで「飲食業」の事業所にお世話になったとしても接客や掃除、経理の仕事を体験することになるかもしれません。それは社会を知るためにとても大切なことです。「思っていたのと違う」という発見がどれだけできるか、楽しみにしてほしいと思います。
3.事業所紹介パンフレットを読もう~業種希望調査に向けて~
生徒たちは、18の業種から第4希望まで選び理由を書くという業種希望調査を行います。それを学年教員が見て、各事業所に割り振る、という形式で事業所を決めています。
○事業所の方は、どんな生徒に来てほしい?
アンケートなどの声をもとにすると、
うちの業種(事業所)に興味のある子
に一番来てほしいという願いがあるそうです。
目的意識があれば、やる気も積極的な行動も見えてうれしいとおっしゃる事業所さんが多いです。事業所さんにとっても、生徒たちにとっても、素敵な出会いの時間となるよう、できるだけそのマッチングがうまくできるといいなと感じます。
学年生徒が167名、事業所が約70、希望通りにならない人もいます。ですが、まずは自分の「興味」を見つめ、その業種を希望する理由をしっかりと書いてほしいなと思います。
○事業所紹介パンフレット
業種希望調査の参考にするために、受入れ事業所の皆さんにご協力をいただき、事業所紹介パンフレットを作成しました。「こんな思いで働いています」「こんな生徒に来てほしい」事業所の方の想いを事前に生徒に伝えてもらいました。ご多用の中、作成のお時間をいただき感謝申し上げます。
全受入れ事業所については、確定しましたらまたお知らせします。
☆あるクラスの学級通信より
(生活記録より)
・私は、医療にしました。でもアンケートで先生たちが決めるといったので、まだ、決定ではありませんが、どこの職場になっても、笑顔になってもらえるように、やりがいをもってやりたいです。
・僕は飲食の所にしました。まだ、どこになるかわ分からないけれど、どこの仕事になっても、その職場の人に感謝をしたいです。何になるか楽しみです。
―一部省略(他3名の日記が載っていました)―
(先生の言葉)
僕は、子どもたちの日記を読んで「すばらしい考え方だ」と思いました。はじめに紹介した日記に共通するのは、「どこの職場になっても」ということです。僕は、このことはきわめて大切なことだと思っています。このことには、いくつもの意味があります。そのなかで、二つのことを書きます。
第一に、今回の職場体験は「自分」と「社会」について考えることが大きなテーマです。このテーマを追究するのは、どの職場においてもできます。自分が体験する職場において自分を見つめ、社会と仕事について考えることはできます。自分の希望がかなわないからといって、学べないことはないのです。そのことを、多くの子が日記に書いています。職場体験を行うにあたって、大切な姿勢でもあります。
二つ目は、人生は思うようにならないものだということです。自分の人生ですが、自分が思うようにならないものです。僕は、「セカンドドリーム」ということを大切にしたいと思っています。文字通り「第二の夢」です。自分の希望が叶うことだけが、ベストではないということです。そして、自分が思うような結果にならなかったときこそ、その後の自分のあり方が大切になります。思うようにならない場所で、自分がどう生きるかです。ふてくされ、うつむいて生きるのも一つです。思いは叶わなかったけど「よし、やるぞ」と与えられた場所でがんばることもできます。どちらの生き方が、その後に生かされるのか明らかです。自分の思うようにならなくとも、与えられた場所で自分の精一杯を発揮したいのです。子どもの日記は、そのことを教えてくれます。
私が話した内容を、こうして担任の先生方が日常生活で生徒に伝えてくださいます。おうちでも「働くこと」や将来に向けて話す機会になればと願います。
家庭で、学校で、地域で、子どもの育ちを支えるふるさとであるといいなと思います。