パート3 第2話 「旧まっくんのさらに旧」

ねえ、まっくん。

あなたって洗練されたデザインだったのね。

どうしたの急に。

そんな分かりきったことをいまさら聞くなんて。

実はね、あなたの世話をしている総務課企画係のキャビネットをあさっていたら、とんでもないものが出てきたのよ。

だめじゃない、そんなことしちゃ。

大丈夫よ。

私たち二次元の住人を縛る法はないのよ。

そんなことより、その時に見つけたのがこれよ。

に、にいさん。

兄さん？

あなたのお兄さんだったの？

うん。

小さい頃に生き別れになった、腹違いの双子の兄なんだ・・・・・と思ったけど、よく見たら違った。

これ、なに？

旧まっくんの原案のひとつみたいね。

←これが、

←こうなって、

←最終的にこうなったのよね。

こうして並べてみると、だいぶ変わったことが分かるね。

やっぱり、ボクが一番かっこいいな～

企画段階で、はじめに

これを見せておいて、次にこれを見せたら、企画も通りやすいでしょうね。

旧まっくんですら可愛く見えちゃうわ。

それは、短ランにリーゼントのいかにも不良ですっていう男の子が、雨に濡れた子犬に傘をさしてあげて、優しそうな微笑みを浮かべて話しかけてると、すごくいい人に見えちゃうっていうアレだね。

たしか、「落として上げる大作戦」って言うんだよね。

そんな作戦名は初めて聞きましたが、そんなようなものです。

でも、何度見てもインパクトのあるデザインだよね。

このまま寝かせておくのはもったいない気がするよ。

そうね、せっかくいぢりやすい顔をしてるんだから、しっかりといぢってあげましょう。

これ以上、新キャラが増えるのも考えものだけれど。

そうだ、そうだ～

これ以上、ボクの出番を遅らせるな～～～